
あらすじ◆
舞台は、とある九州の元ペンション。元ペンション経営者で東京育ちの実明(下條)は、五年前に妻が家出して行方不明になった後もペンションに住みつつ地元のホテルに今は勤め、若い紗耶香(吉田)と暮らしている。そこに突然妻の日和(川島)が帰って来る。音信不通になった妻をなじりつつも、若い娘と住む正当性を訴える夫。自分の所有するこの家に帰ってきたと主張し、ニューヨークや中国で社長秘書していた事など家を空けていた事情を話す妻。しかし、若い娘も今実家に帰れない事情を抱えていた。そんな三人の奇妙な同居生活が始まり、今後のことを話し始めたある日、世話になった妻の伯父さんが選挙違反で捕まったという連絡が入る。そこから妻の突然失踪した意外な事実が徐々に明らかになってくる。
解説◆
東京人が一見夢見がちな田舎暮らし。人の温かさ、自然の美しさ、のどかな暮らし。しかし、外者には見せない顔がある。複雑に絡み合う人間関係、いまだに残る差別問題、利権に絡む仕事のつながり。狭い地域だからこそ起こりえる諸問題がある。この作品は、喜劇的なタッチで進行しながら、その地方都市の暗部をあぶりだしています。しかし、重いテーマながら若い劇作家らしく物語の展開も意外性に富み、暗くならず、重くならず最後にとんでもない女にたどり着いていく展開の面白さがあります。