例会詳細


第113回公演
2008年3月11日
劇団朋友
 明日の幸福

あらすじ◆
 当主・寿一郎には、何でもいいから早く大臣になりたいという権勢欲と家宝の埴輪に執着する物欲があった。ドラマはこの二つの欲をめぐって巻き起こる三世代同居の大家族、松崎家の人々を描く人間喜劇である。家宝とされている国宝級の埴輪の馬に、祖母、妻女、新婚の嫁三代につながる過失の秘話が隠されている。女性はいかに新しく生きようとしても、いったん家庭に入ると、結局旧い因習にとらわれ自分を縛る事になる。因習を家法の埴輪で象徴し、それから抜け出ようとする女性自身の覚悟の行動を描くことによって、作者は「明日の幸福」を暗示する。
スピーディーな筋立ての巧みさと機関銃のように打ち出される台詞の数々、多くのトリックを用い巧妙な手法で観客の目と耳を捉えてはなさない。
1954年度芸術祭賞受賞、第7回毎日演劇賞脚本賞受賞。
昭和期新派の代表的演目の一つであり作者の最高傑作である。


解説◆
 『明日の幸福』は1954年(昭和29年)に明治座で初演されました。戦後の日本の家族制度を鋭く透視した、風刺に満ちた名作喜劇として、何度となく再演され、好評を博してきた作品です。
喜劇を上演したいとはかねがね思っておりましたので、『明日の幸福』の上演するチャンスに恵まれたことは、私どもにとってこの上ない喜びでした。しかし50年余前に発表された作品がこれ程までに現代に生きる人々の心を捉えるとはとてつもない驚きでした。名作であるが故の脚本の持つ力と、各スタッフのご協力、そして出演者一人ひとりの演技に支えられてことも否めません。
様々な社会問題が山積みされた、戦後60年を迎えた日本社会の中にこそ、『明日の幸福』の松崎家のような、諦めない、力強い女性が必要だと思います。名作喜劇であると共に『明日の幸福』というタイトルが示すように未来を見つめる作品としていきたいと思います。


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