
あらすじ◆
バルニエ石鹸の若きエリート社員、クリスチャン・マルタンは、会社の機構(からくり)を見事に操って大金をつかみ、社長令嬢ジャクリーヌに求婚する。ところが彼が「社長令嬢」と思い込んだのはとんだ人違いで、本当の社長令嬢コレットは運転手のオスカーと熱い仲。しかも子供まで出来ているとあって父親のバルニエ社長は大弱り。そこへ玉の輿で男爵夫人となって家を出て行く女中ベルナデットが、ご丁寧にもカバンを取り違えて出て行ってしまう。取り違えたカバンには宝石入りの会社の裏金が入っていたため、バルニエ社長の困惑は絶頂に。話しは出入りのマッサージ師や家族全員を絡めて大混乱となり一家の主人バルニエ社長は発狂寸前。3億2千万円入りのカバンと3億2千万円の宝石の入ったカバンと、そしてもう一つ“ブラジャー”が飛び出すカバンが大活躍する抱腹絶倒のヴールヴァール劇。
解説◆
1971年にNLTで初演されたヴールヴァール劇(フランスの風俗コメディー)『オスカー』を再演します。昨年の上演では全く年月を感じない現代劇として上演されました。演出はNLT初演出の鵜山仁氏。「オスカー」の笑いの構造は、恋人の取り違え、持ち主の違うカバンの取り違えですが、鵜山氏の緻密な演出でそのすれ違いの様を描き、大きな笑いで観客にお届けします。笑えば笑うほど、経営者と従業員のおかしな関係が浮き彫りになる「オスカー」。コメディを演出する鵜山氏の冴えは周知のことですが、おかしさの中に必ず、ヴールヴァール劇の特徴である登場人物の悩みや人生が描かれます。