888『てけれっつのぱ』 劇団文化座
 「てけれっつのぱ!」という呪文とともに、生きることへの熱いエネルギーを放っているこの舞台は、現代に生きる人々を力強く勇気づけることでしょう。
作 ◆蜂谷 涼
訳 ◆
脚色◆瀬戸口 郁
演出◆西川 信廣
出演◆佐々木 愛
   有賀 ひろみ
   阿部 敦子
   津田二朗
沖永正志
小谷佳加 ほか
【あらすじ】
 時は明治14(1881)年、商人や船乗りが往き来し活気溢れる小樽の町なかに、煮売り、代書、髪結い、俥などを商う小さな店「きし屋」があった。そこに肩寄せ合って生きているのは、年齢もバラバラ、と言って家族でもない、いわくありげな三人の女だった。彼女たちはなぜ結びつき、ここ北の果て小樽にたどり着いたのか? そしてやくざから立ち退きを迫られている「きし屋」の運命は?
 明治維新そして文明開化。価値観が大きく転換する時代であった。様々な人生が激動のなか流転する。その運命に流される者もいれば、立ち向かい、抗い、力強く生きようとする者もいる。
 江戸の名残をとどめる文明開化の東京と、開拓まもない北海道は小樽で、愛憎と人情に満ちた悲喜劇が繰り広げられる―

【解説】
 明治維新から文明開化という激動の時代を背景に、不器用な者たちの人間模様が綴れ織りのように鮮やかに描かれる蜂谷涼氏の『てけれっつのぱ』(柏艪舎刊)を舞台化。哀しみを湛えながらも逞しくしたたかに生きる人間の姿は、やはり価値観が拡散し不透明な時代を生きる現代の私たちの胸に深く迫ってきます。
 今、日本人全体が生きる活力を失ってきているように思われます。こんな時代だからこそ、嫌なことを笑い飛ばし皆が元気になれる、そんな作品を創りたいと思いました。初演の舞台は大好評を博し、平成20年度文化庁芸術祭大賞を受賞。
 切なくも痛快なエンターテインメント時代絵巻に乞御期待!

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