888『天切り松闇がたり』 ㈱シーエイティプロデュース
客は今日この一日留置場の同居人と化す。
客席をも「雑居房」の一角に見立て、
観客は疑似体験の中で
天切り松の「闇がたり」を聞く…。
いなせな語り口調と大正ロマンを舞台空間に再現
作 ◆浅田 次郎
訳 ◆
脚色◆中西 良太
演出◆中嶋 しゅう
出演◆
・すまけい
・鷲尾 真知子
・増田 英治
藤原 道山(尺八)
【あらすじ】
 夜更けの留置所にふらりと現れた古風な老人の昔語り―――。時は大正、知らぬ者とてない、盗賊の大親分銀次の留守を預かる安吉に、幼い松蔵は盗ッ人修行に里子に出された。実の親に捨てられた松蔵の前に現れた一党は、この世のものとは思えぬ程のまばゆい人々、時の政界や警察幹部も一目置く、「抜弁天の安吉」一家。情け厚く、人の誠を知る、大盗賊たちの華々しい活躍を、時を経て心すさんだ現代人に、年老いた松蔵が語って聞かす、その声音は盗賊たちに受け継がれた六尺四方にしか届かぬという「闇語り」―――。

【解説】
――小気味いい拍子木の音がなり響く。静かな空間に尺八の音色が流れれば、「天切り松」の世界が動き出す。密な空間で生まれる独特の緊張感。それを作り出すのは、俳優すまけいの圧倒的な存在感。飄々とした味とすごみのある声色。目をつぶると、そこにいるのは格子の中にいる〝天切り松〟こと伝説の大泥棒・村田松蔵。夜更けの留置場にふらりと現れた松蔵が訥々と昔話を語りだす。雑居房をイメージしたシンプルな舞台セットと照明は見るものの想像力をかき立てる。見るものはいつのまにか囚人となり、今宵天切り松の闇がたりに耳をかたむける。

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