888『名探偵ポワロ ブラックコーヒー』 ピュアーマリー
演劇少女だったアガサ・クリスティーの処女戯曲、平和へのメッセージが込められた大人の娯楽ミステリー。チャーミングな三波ポワロと楽しむ人間ドラマ、何度も見たくなる極上の推理劇。
作 ◆アガサ・クリスティー
訳 ◆保坂 磨理子
脚色◆
演出◆佐竹 修
出演◆
・三波 豊和
・内海 光司(ジャニーズ事務所)
・倉石 功
平田朝音(俳優座)
他(初演と3人くらい変わります)
【あらすじ】
 ロンドン郊外に居を構える著名な科学者エイモリー卿の屋敷の平穏な晩餐。食後のコーヒータイム、卿が意外な事実を明かし、居合わせた者たちに異様な緊張感がはしる。「邸内にいる何者かが、夕食前に金庫から極秘書類を盗み出した。今から部屋の灯りを消している間に、書類を返せば罪には問わない。」
 しかし再び灯りがついたとき、卿は息絶えていた。
 混乱のさ中、卿が書類の捜査を緊急依頼していた名探偵ポワロが到着。大勢の中で卿の死を演出した大胆な犯人は?エイモリー卿の息子夫婦、お喋りな姉、姪、秘書、執事、突然の訪問者、ポワロの指南で次第に露呈していく家族の秘密、そして、追い詰められていく犯人との頂上決戦!

【解説】
 アガサ・クリスティーの作品は知的で優雅です。特にアガサの処女戯曲であるこの作品は、それまでの自身の小説の舞台化作品に飽き足らならず遂に自ら書いただけあり、舞台にして面白くなりそうな要素が随所に散りばめられているばかりか、舞台劇としての見せ方や工夫が緻密に計算されています。なんといっても名探偵ポワロの登場は観客をワクワクさせ、ともに推理していく楽しみはミステリならではの醍醐味、爽快なラストが小気味良いです。アガサはこの戯曲の中で、原子爆弾の発明者と化学式を抹殺しています。想像の世界を広げてくれる娯楽作品でありながら、平和へのメッセージが込められており、最後は笑顔で拍手ができる上質な戯曲です。

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