888『あおげばとうとし』 劇団青年座
空は青く、山は高く、鳥は飛んで、先生は先生で、生徒は生徒だった。それがあたりまえだと思っていた、あの頃…。だけど、ゆっくりと、確実に、何かが歪み始めていた…。
作 ◆中島 淳彦
訳 ◆
脚色◆
演出◆黒岩 亮
出演◆那須 佐代子
   大家 仁志
   津田 真澄
   松熊 つる松
小豆畑 雅一
藤 夏子
ほか
【あらすじ】
 1972年、卒業式を間近に控えた3月。九州宮崎県にある田舎の小学校の職員室。“5年生児童が、水を入れたコンドームを新任の女性教師に投げつけた!” 物語はここから始まります。この児童は友だちを自分の親が経営するラブホテルに連れて行くなど次から次に問題を引き起こします。
 愛情をもって優しく接することが必要という教師、もっと厳しく指導すべきだという教師、学校の対面ばかり気にする教師、全くの無関心を装う教師…と様々。
「こんげな呑気な田舎でも、時代の波は押し寄せます」
 時代の波しぶきと嬉々として戯れるのはいつの世も子供たち。そんな子どもたちに振り回されながらも、先生たちは教育者として、人間としてぶつかっていくのです。

【解説】
 教育現場の荒廃が叫ばれて久しい日本。先生と生徒、先生と保護者との関係は、平成の時代になって大きく変化したといわれています。では、今の先生や親たちがまだ子供だった頃はどうだったのでしょう。『あおげばとうとし』は作者自身が小学校の時の想い出の断片をかき集め、つなぎ合わせ、浮かび上がったエキスを創作し、あの頃の先生のことを書いたものです。一人の問題児童(実は作者自身)を巡る先生達の悪戦苦闘ぶりを骨太の喜劇として描いています。一方、高度成長期に生れた新しい時代の価値観を押し付けられた子供たちの悲痛な叫び声も聞こえてきます。誰にもあった小学校時代の思い出。その懐かしさの中に、少し苦味のきかせた大人の喜劇です。

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