888『五重塔』 劇団前進座
 大工であれば、夢は歴史に残る建物の設計と施工。仲間内から“のっそり”と揶揄される“渡り大工”が、評判の親方と対立して手に入れた五重塔の建立。作事場は一触即発、家族をも巻き込んで…。
作 ◆幸田 露伴
訳 ◆
脚色◆津上 忠
演出◆鈴木 龍男
出演◆
・嵐 圭史
・藤川 矢之輔
・小林 祥子
浜名 実貴

【あらすじ】
 感応寺の再建は、名棟梁、川越の源太によって進み、残るは五重塔の建立のみ。ある日、源太の配下、渡り大工の十兵衛が寺の上人を訪ね、持参した五重塔の雛形を見せ、自分にやらせてほしいと直訴する。上人は精巧な雛形と新技術の工夫に目を見張る。偶然その場に居合わせた源太と十兵衛に対し、上人は「建てる塔はただ一つ。結着は二人の相談に任せる」と言い、兄弟が譲り合い助け合って川を渡る説話をし、それとなく二人を諭す。翌日、源太は十兵衛を訪ね、棟梁を譲り、副えになって協力しようと申し出る。が、十兵衛はそれも断る。火花散る二人の意地…。そして…。

【解説】
 『五重塔』は1965年に初演、以後再演を繰り返してきた前進座の代表作の一つです。三年前に演出を変え、配役も一新し、嵐圭史の“のっそり十兵衛”、藤川矢之輔の“川越の源太”のコンビで再創造し、昨年1月には京都南座で公演し、好評を博しました。十兵衛と源太の葛藤を縦糸に、それぞれの夫婦愛を織り込み、五重塔建設に賭ける職人の世界を情感豊かに描いた時代劇です。ぜひご覧いただきたく、企画提案いたします。

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