888『木の皿』 加藤健一事務所
私たちの永遠のテーマである、老いと介護と家族の問題を真っ向からとらえ、自らの生き方を問う感動のドラマ。老人ロン役を加藤健一が、渾身の力をふりしぼって演じます。
作 ◆エドマンド・モリス
訳 ◆小田島 恒志
脚色◆
演出◆久世 龍之介
出演◆
・加藤 健一
・加藤 忍(予)
・大西 多摩恵(予)
/他


撮影:石川純
【あらすじ】
 78歳のロンは、次男のグレン一家と暮らしている。グレンと妻のクララ、娘のスーザンは、長い間ロンの面倒を看てきたが、体力が衰えて少しボケてきたロンのことが負担になってきていた。「自分の人生を行きたい」というクララの希望で、グレンはロンを老人施設に入れることを決意。しかしロンは、「施設に入るくらいなら、死んだ方がマシだ。」と拒否。「ロンを施設に入れないのなら私が出て行く。」とクララに言われ、スーザンやロンの友人からは施設に入れることを猛烈に反対される。長男のフロイドは他人事で、相談に乗ってくれない。家族は疲れ果て、お互いを傷付け合ってしまう。やがて、ロンが下した決断は・・・。

【解説】
 「木の皿」は、人間としての誇りと尊厳を失うことなく、“老い”を生き抜いていく逞しい老人と、その家族の姿を鋭い目で見つめるエドマンド・モリスの傑作ヒューマンドラマです。これは、高齢化社会を迎えた21世紀の私たちへの力強いエールです。
 この作品には、タイトル通り「木の皿」が象徴的な意味を担って登場してきます。肉体的に衰えのきている老いた父は、すぐ物を壊してしまうため、彼の食事だけ陶器ではなく、木製の食器‐木の皿‐に盛られて出されるのです。そのことは、大の大人が子ども用の食器で食事をさせられているようで、老人のプライドはひどく傷つけられます。陶器の食器は、人間としての尊厳をも象徴しているのです。

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