888『静かな落日』 劇団民藝
 どんな事があってもめげずに、忍耐つよく、執念深く、みだりに悲観もせず、楽観もせず、生き通して行く。広津のことばは鮮やかに蘇り、いまを生きる私たちをはげまします。
作 ◆吉永 仁郎
訳 ◆
脚色◆
演出◆高橋 清祐
出演◆
・樫山 文枝
・伊藤 孝雄

ほか
【あらすじ】
 1949年、福島県はのどかな松川をおそった列車転覆の大事件。検挙された容疑者20名が第一審を含む有罪判決。無実の罪に問われた被告たちを救うため、ペン一本で奮闘する広津和郎。その父を支えつづける娘・桃子。しかし戦前母との別居によって心にうずまく父への不信、そして戦中は戦争協力を忌避して「負ける戦争はしないものだ」とうそぶく父への憤り。松川裁判をたたかいつづける病身の父にぴったり寄りそう桃子は、信頼と尊敬をこめて「好きよ。お父さんが好き」とひとりつぶやきます・・・。

【解説】
 思わずこぼれる笑い、知らず知らずのうちにあふれる涙、心にしみるせりふの数々。祖父と父と娘・作家三代の近景をユーモラスに、そしてしっとりと描きだした吉永仁郎の傑作戯曲です。家族をむすぶ不器用で深い愛情、そして和郎の友人・志賀直哉と宇野浩二との男の友情を描きながら、家族のあり方、人間の生き方、そして人が真実にむかっていく姿勢と態度を浮かびあがらせます。東京公演につづく九州・神戸・新潟・前橋巡演でも「心に残る美しい舞台」と圧倒的な評価をうけました。

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