| 888『桜の森の満開の下』 | 東京演劇アンサンブル | ||||
| 孤独と拒絶、愛と欲望、社会のはみだし者という立場、女性の性的な力、変化する男女の役割といったテーマが、きらびやかな装置、衣装、忘れがたい音楽といった枠組みの中で考えて表現されている。(アイリッシュタイムズ評) | |||||
![]() | 作 ◆坂口 安吾(原作) 訳 ◆ 脚色◆広渡 常敏 演出◆広渡 常敏 出演◆久我 あゆみ 公家 義徳 名瀬 遙子 | ||||
| 【あらすじ】 鈴鹿の山奥に棲む山賊が、ある日高貴な女の美しさに目がくらみ、夫から奪って自分の女房にする。しかしどんなにまごころを尽くしても、女は満足しない。京を恋しがる女に負けて、男は都へ移り住む。都では金銀財宝よりも人間の生首を女は欲する。男は夜な夜な首を狩って来るが、尽きることのない女の欲望に飽きて、男は女を置いて山へ帰ろうとする。女は、お前と一緒でなければ生きてゆけないといい、二人は山へ帰る。折りしも桜の森が満開で、二人はそこで初めて向かい合うのだが、女は夜叉に変わって男を襲う。 | |||||
【解説】 坂口安吾の傑作短編を、檀一雄の勧めで広渡常敏が脚色。1990年からは海外公演でも高い評価を受け、ニューヨーク、ロンドンを始め5カ国7都市での上演を重ねてきた代表作の一つ。能舞台を思わせる真黒な舞台に金屏風が一つ。その屏風を破って山賊が女をさらってくる。絵のような美しさ、静寂の一方で、ダンスによって表現される生首の舞い、轟々たる桜吹雪。池辺晋一郎、岡島茂夫、西田堯ら一流のスタッフが、広渡常敏とともに完璧に作り上げた舞台のなかで、男と女の、互いを求めれば求めるほど寄り添えない、存在としての人間の孤独が描かれる。 | |||||